NPO法人 新現役ネット／関西支部

第２８回の読書サロンを、７月３日（月）に開催しました。
　
今回もいろいろと話題が飛びました。「本の文字が見えにくい」という話が出たので、私はそれに乗っかって、ちゃっかりと白内障の手術に関して教えていただきました（役立ちました。ありがとうございました）。
　「読書とは関係ない話もOK」ルールがあります。もう一つ「読書とは関係ない話は、長々続けない」ルールもあります。この二つのルールが絡み合いながら、読書サロンは進んでいます。


今回の本の紹介も「てん でんばらばら」でした。でも、いくつかのテーマを見出せます。一つのテーマに凝り固まらないのが、この読書サロンの特徴であり魅力でもあり、参加者は、それを楽しんでいるように見えます。今回の紹介された本を当てはめると、

●「硬い本が多いみたい、気楽な本も紹介したい」と久しぶりの参加者より
・『ブラタモリ (1) 長崎 金沢 鎌倉』(2016/7/29)
・『館長と学ぼう 大阪の新しい歴史 1』(2017/5/25)

●セットで二冊の本の紹介があり、興味深かった
・『金閣寺』(1956 発表)
・『五番町夕霧楼』(1962 発表)
（注）水上の代表作の一つである『五番町夕霧楼』は、1956年に出た三島由紀夫の『金閣寺』へのアンサーとして書かれた。1950年に起きた金閣寺放火事件と水上の実体験が題材になっている。

●仏教など宗教がらみの本もよく紹介される
・『正法眼蔵随聞記』(2003/11/11)
・『「維摩経」 2017年6月 (100分 de 名著) 』(2017/5/25)

●歴史ものもよく紹介される。特に古代
・『縄文文化と日本人―日本基層文化の形成と継承』( 1986/2 )
・『骨が語る日本人の歴史』(2015/5/7)

●硬い本も好き。深く考える契機になる
・『夏目漱石と西田幾多郎――共鳴する明治の精神』( 2017/6/21)

バラバラと言いながらも、今回も「読書サロンらしい」本が紹介されました。さらに違うテーマの本を紹介していただける参加者も大歓迎です。何せ、バラバラなのが「売り」なのです。「読書サロンらしくない」本が紹介されると、ますます「読書サロンらしく」なります。他ではあまり見られない「読書サロン」です。新たに参加していただける方も、お待ちしています。
　
　
次回、 第２９回の読書サロンは、８月７日（月）午後１～３時（大阪・淀屋橋）です。
皆さんのお越しをお待ちしています。
案内はこちら（ＨＰ／エリア活動）でご覧ください
https://www.shingeneki.com/common/details/area/2450
　
　
以下、情報提供です。
　
●第２８回で紹介された本のリストと備考。

(1)　片山 一道 、『骨が語る日本人の歴史』、 ちくま新書(2015/5/7)、（人骨から読み解く日本人の歴史。日本人はどこから来たのか）
(2)　小林 敏明 、『夏目漱石と西田幾多郎――共鳴する明治の精神』、岩波新書( '2017/6/21)、（旧き良き明治の精神。哲学と文学に鋭く切り込んでいて重い内容だった）
(3)　栄原 永遠男 (編集) 、『館長と学ぼう 大阪の新しい歴史 1』、東方出版(2017/5/25)、（博物館での講演会。学芸員と館長の対話をまとめたもの）
(4)　佐々木 高明 、『縄文文化と日本人―日本基層文化の形成と継承』、講談社学術文庫( 1986/2 )、（日本人のルーツを探す）
(5)　釈 徹宗 、『「維摩経」 2017年6月 (100分 de 名著) 』、ＮＨＫ出版(2017/5/25)、（聖徳太子が選んだ、お経らしくないお経。物語形式で、大乗仏教の本質を説く）
(6)　NHK「ブラタモリ」制作班 (著, 監修) 、『ブラタモリ (1) 長崎 金沢 鎌倉』、角川書店(2016/7/29)、（テレビの放送内容をまとめたもの）
(7)　三島 由紀夫 、『金閣寺』、新潮文庫(1956 発表)、（吃音症の宿命を持つ学僧の苦悩の人生。金閣の伝統美への嫉妬。絶対的なものへの嫉妬。放火）
(8)　水上勉、『五番町夕霧楼』、小学館(1962 発表)、（夕子の夕霧楼での娼妓への道と人生。幼馴染の修道僧の国宝・放火、切なく心に沁みる物語）
(9)　山崎 正一 (著), 懐 奘 (編集) 、『正法眼蔵随聞記』、講談社学術文庫(2003/11/11)、（只管打座！！文筆詩歌等其れ詮なき也…と道元は云う。読書サロンの各位何と答えますか）